あの有名人のアルバイトにまつわるさまざまな話をお送りするこのコーナー。毎回、下積み時代の隠れた努力や、おもしろいエピソードをお届けします。
劇団ひとり(げきだんひとり)
1977年2月2日千葉県生まれ。お笑いコンビ「スープレックス」としてデビュー。コンビ解散後は「川島省吾」を「座長」、川島演じる数々のキャラクター達を「団員」とした「劇団ひとり」を旗揚げしブレイク。バラエティ、ラジオ、CMと多方面で活躍中

―― 今までどんなアルバイトを経験しましたか?

アルバイトは、これまでに30種類くらいやりました。
でも、どれも仕事ができるようになるまでの過程は面白いんですけど、いざこなせるようになると飽きてしまうんですよね。
だけど僕は「吸収型」なんで(笑)、色々経験しました。
初めてアルバイトをしたのは中学を卒業した春で、引っ越し屋の仕事です。
その頃、世の中はバブル景気だったので、給料はよかったですね。
しかも体力のある年頃ですから、きつい力仕事だったにも関わらず残業もたくさんして、1日で1万1000円、1ヵ月で10万円くらい稼ぎました。
その給料で、当時は不良男子高校生を主人公にした少年漫画が流行っていたので、その主人公が着ているのと同じモデルの『変形学ラン』を買いました。
ちなみに、一番最後にアルバイトをしたのは2年前で、これが偶然にも引っ越し屋。
コンビを解散したばかりで、仕事がパッタリこなくなった時期でした。
バブル期に比べたら、その頃はどこもお給料が低くて、引っ越し屋の仕事も以前と同じ内容なのに1日7500円しか稼げませんでした。「不景気」を身をもって感じましたね。
その上、15歳の頃より、驚くほど体力が落ちていて、きつかったなぁ。
ちなみに、その時稼いだお金はほとんど、当時あった借金の返済にあてました。

―― 数あるアルバイトの中で、一番心に残っているのはどんな仕事ですか?

警備員の仕事です。これが一番長く続けたアルバイトで、1年間やりました。
駐車場の入り口にある1畳くらいの広さのボックスの中から、駐車場に入る車のナンバーをチェックするんです。
でも車はたまにしか来ないので、とにかく楽でした。
同じ駐車場で1ヵ月間くらいやった時は、ボックスの中にラジカセやマンガ本などの私物をたくさん持ち込んで、自分の部屋みたいにしてましたね。楽しかったです。

―― アルバイト先で出会った人で、印象深い人はいますか?

その警備員のアルバイトをしている時に、定年退職をした男性が新人として入ってきて、仕事を覚えるために僕に1日ついたことがあったんです。
世界一周旅行をするための旅費を稼ぎに来ていたそうで、『君は世界一周をしてみたいとは思わないのか』と聞かれました。
それで、『あまり興味がない』と返事をしたら、『探究心のない男はクズだ』などと言い出して、そこから大ゲンカです。

だけど、こっちは年下でも先輩ですから、『出て行け!』と追い出しました。
でもそれから1時間くらいして、いちご大福を持って謝りに来ましたよ(笑)。
また、高校1年生の時にファーストフード店で調理担当のアルバイトをしたんですが、すぐ上のマネージャーがアルバイトから社員になった人だったんですね。
それである時突然、そのマネージャーに『ハンバーガーを焼いてみろ』と言われたので、マニュアル通りに焼いたんです。
そうしたら彼は首を横に振り、自分の胸を指差して、『ハンバーガーはな、ハートで焼くんだ』と熱く言うんです。
ビックリしました。僕はハンバーガーに対して、そこまで強い思い入れはなかったですから。
でも、彼はその大手ハンバーガーチェーンが開催する『全国ハンバーガー選手権』みたいな大会でトップ10に入る人物だったそうで、ハンバーガーにかける情熱は並じゃなかったんでしょうね。
『俺は、できる奴にしか言わない』と言ってましたから、僕はずいぶん見込まれていたようです。

―― アルバイトの経験が、現在役立っていると思うことはありますか?

やはり、『たくさんの人に出会えた』ということでしょうね。
そのファーストフード店でのアルバイトにしても、ハンバーガーの焼き方は役に立っていませんが、焼き方を教えてくれたマネージャーのキャラクターは、現在やっているコントのキャラクターとして生かされています。
お笑い芸人は、コントのキャラクターをつくるために人間観察を欠かしませんが、ただ道行く人をボーっと見ていてもダメ。
実際に人と関わって、『気になる』とか『腹が立つ』と感じる部分を誇張することで、面白いキャラクターは生まれるものなんです。

―― 最後に、アルバイトを探している皆さんにアドバイスをお願いします。

アルバイトを始めようとしている皆さんに『アルバイトを辞める際のアドバイス』なんですが、辞める時はきちんと辞めないとダメです!
そのアルバイトを始めて間もなかったりすると、なかなか『辞めます』とは言いづらいものですが、きちんと断らない方が心配や迷惑をかけますし、何よりそれまで働いた分の給料を取りに行きにくい(笑)。
僕の場合、『そういう理由』で取りに行けなかった給料が20万円くらいあるんじゃないかな。
まあ、今からでも取りに行こうと思ってますけど(笑)。

 
 
 

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