SOPHIA 松岡充(まつおかみつる) 1971年8月12日大阪府出身。ロックバンド「SOPHIA」のボーカル。現在は音楽活動だけにとどまらず、映画・ドラマ・舞台での俳優、フォトグラファー、小説家など多彩な才能を生かし多方面で活躍中。 松岡充オフィシャルサイト「NEW ZOO PAPER」
―― 今までどんなアルバイトを経験しましたか?
最初は高校生の時に、実家が自営業の友達のお手伝いですね。工事現場の土木作業員でした。 実は僕、子供の時に親の財布からお金を盗って、ものすごく怒られたことがあるんですよ。「この100円を稼ぐために、お父さんとお母さんがどれだけ苦労してると思ってるの!」って怒鳴られてね。 でも、その時は「お金を稼ぐ」ってどういうことか全然わかっていませんでした。だから「お金なんて大人になれば簡単に稼げる」と思っていたし、母親に叱られる意味が、いまいちピンとこなかったんです。 だけど、この土木作業員の仕事がとにかくきつくて、「お金を稼ぐ」ことがどれだけ大変なのかを知ったんです。それで初めて「母親が怒鳴っていた意味」が理解できたんですよ。 その後は、ファーストフードやコンビニの店員、早朝の魚市場の仕事や国勢調査員なんていうのもやりましたね。
―― 一番楽しかったアルバイトは何ですか?
海の家ですね。「冬のゲレンデ、夏の海」は、やっぱりモテ度が高いですから(笑)。 僕の地元では、海の家のアルバイトって、オーディション形式で採用されるんですよ。例えば、清涼飲料水の会社がスポンサーについているところは“爽やかボーイ”を、タバコメーカーがスポンサーのところは“ちょっと大人の雰囲気を持った男”を…と、それぞれの海の家のカラーにあった男の子が選ばれるようになっていて。 僕は、なぜか“純和風”の海の家に採用されましたね。他の海の家はみんな横文字の店名だったのに、そこは「つばめ」とかそんな感じの名前でした。 海の家同士でテリトリーがあって、客引きの時に「境界線を越えた、越えない」でよく喧嘩がありましたけど。でもすごく楽しかったですね。
―― アルバイトを通じて出会った印象的な人はいますか?
レンタルビデオ店でアルバイトをしていた時の店長さんです。僕のことをすごくかわいがってくれて。自分が乗っていた車をくれたり、「自立するために一人暮らしをしたい」といったら、アパートを借りて光熱費まで出してくれました。 その当時、バンド活動を始めていたので週3日くらいしか働けなかったんですが、そういう点も考慮して、バンドの練習に集中させてくれました。 そこは地元密着型の店で、近所の人が大手チェーン店ではなく、わざわざその店を選んで来てくれました。 そして、僕達のバンドも応援してくれていました。 “人情”みたいなものを感じたアルバイトでしたね。
―― アルバイト経験の中で、印象深い出来事は何ですか?
引越し屋でアルバイトをしたことがあるんですけど、これは勉強になりました。 よく“住み替え”のCMとか見てウルっとくることあるでしょ。“やっと念願のマイホームを手に入れて、住み慣れた家を離れる…”。 引越しって“1つの家族の新しい門出”ですから、結構ドラマチックな場面が垣間見えたりするんですよ。 タンスを動かしたら裏から古ぼけた画用紙が出てきて、何かと思って見てみると、その家の娘さんが小さい頃に描いたパパの絵だったりして…。何かジーンとするんですよね。 しかも、引越し屋ってその家の方々にすごく感謝されて、お昼ご飯をごちそうになったり、ご祝儀が出たり…。肉体労働だったけど、いい経験だったな。
―― 最後に、アルバイトを探している皆さんにメッセージをお願いします。
アルバイトを選ぶ基準って、お給料だったり、時間帯だったり、場所だったりと様々だと思いますが、実はそんなことは後からどうにでもなるんですよ。 大切なのは、いろいろな経験をすることだと思います。それがアルバイトの良さですからね。 アルバイトは、社会にジャンプする前の、いわば「助走期間」。だから、ぬかるみも走ってみるべきだし、砂漠も走ってみるべきだし、いろいろな道を走ってみたほうがいいんです。それで初めて「自分には何が一番あっているのか」がわかってくると思います。 本当に、アルバイトはたくさんやっておいた方がいいですね。僕は「今からでもやりたいな」って思っているくらいですから。
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