あの有名人のアルバイトにまつわるさまざまな話をお送りするこのコーナー。毎回、下積み時代の隠れた努力や、おもしろいエピソードをお届けします。

原口あきまさ(はらぐちあきまさ)
1975年11月3日福岡県出身。「明石家さんま」をはじめ、「極楽とんぼ・加藤」や「石橋貴明」など数多くのレパートリーを持つものまね芸人。日曜25:00~「OUT☆PUT(TX)」や金曜27:00~「金曜junk2 原口・はなわの角っ歯!(TBSラジオ)」 などテレビをはじめ、ラジオ、ライブを中心に活躍中。

―― 今までどんなアルバイトを経験しましたか?

東京に出てきてからは、一時期大手コンビニエンスストアのFとSの2店でアルバイトをかけ持ちしていたことがありました。例えばSのシフトが週4日入っていたら、残り3日間はFのシフトに入れるわけです。
その2店は100mも離れていなかったんですが、かけ持ちしていることはもちろん両方に内緒にしていました。でも時々間違えてしまうんですよ。本当はFの勤務日なのにSに行ってしまったりして。
「あれ?どうしたの?」って当然聞かれるんですけど、「いや、心配で手伝いに来た」とかバレバレの言い訳をしてね。
でも、その頃よく一緒に働いていた先輩が朴さんという韓国人で、「そうか、ありがとう」と礼までいわれてしまって、奇跡的にバレませんでした。

―― アルバイトを通して印象に残っている人はいますか?

やっぱり朴さんですね。僕は明石家さんまさんのものまねでTVに出始める頃までアルバイトをしていましたが、基本的に芸人であることは周りに隠していました。
だけど、朴さんだけは、僕がお笑いの仕事をしていることを知っていたんです。というのも、僕がコンビでお笑いをやっていた頃、新宿中央公園で相方とネタの練習をしていたところを見られまして…。
「男同士で顔近づけて、コソコソしゃべって、何やってるの?気持ち悪い!」って。「気持ち悪い」までいわれたんですよ(笑)。それで仕方なしに、芸人を目指していることを打ち明けたんです。
そうしたら、それからはすごく気遣ってくれて、「今日はネタやらなくていいの?」とか声をかけてくれるようになりました。時間がない時は、ネタを書きながら店番をさせてもらったりもしましたし。
しまいには、練習嫌いな僕に「そんなことじゃ立派な芸人になれないよ」と説教してくるようになったんですよ(笑)。やっぱり理解がある先輩だったからこそ、僕は芸人を目指しながら働けたし、すごくありがたかったですね。
そういえばある時、朴さんと二人で店に出ていたら、とても怖いお客さんが入ってきて、何やらいちゃもんをつけてきたんです。それで、なんと肩の入れ墨をババンと出してきて。
僕は当然ビビりまくりましたけど、朴さんは負けずに「それを見せたから何なんですか?私、韓国です!」って、よくわからない立ち向かい方をしたんです(笑)。
でも、それで相手は引き下がりましたよ。もう引き下がる以外ないですよね(笑)。朴さん、面白い人だったなぁ。

―― ほかに心に残っている出来事はありますか?

一時期、水商売の店で働いたことがあるんですけど、一緒に働いていた人が親に嘘をついて仕事していたんです。
彼は田舎の母親に「一流企業に就職した」っていってたらしいんですけど、実際にはその一流企業の就職試験には落ちてしまっていて。でも、お母様がすごく体の弱い方だったそうで、とてもじゃないけど本当のことなんていえなかったんでしょうね。「それでこんな水商売やってるなんて、俺、最低だよな」なんて、こぼしていました。
結局、それからほどなくして彼のお母さんは亡くなりました。ついに本当のことは知らずじまいで。その後、彼も店に姿を見せなくなりましたね。
なんかこう、胸が熱くなる話でしょ。そんな人間模様もアルバイトをしながら垣間見て、何だか心に残っています。

―― アルバイトをしてよかったと思うことは何ですか?

いろいろな店の若い従業員のことを想える、っていうことですかね。
僕は、すごく動き回らなきゃいけない居酒屋のアルバイトとかやっていましたから、従業員の大変さがわかるんです。
ちょっと手際が悪いと、すぐに文句をいうお客さんっているでしょ。でも僕は「大丈夫だから、待ってるから」って思えますね。「俺はわかってるから」って(笑)。
僕がよく行く新宿の居酒屋は、ミュージシャンや役者を目指している奴とか、そういう夢を持った若者がたくさん働いているんです。
僕も芸人になる夢を持ちながらアルバイトをしていましたから、同じような若者を見ると自然と、「大変だね」とか「がんばれよ」とか声をかけています。
「今はジョッキを持っているこの指が、仕事が終わるとギターをかきならす指に変わるんだろうな」なんて勝手に想像するのも楽しいし。学校を卒業してすぐに就職した人は、こういう感じがわからないんだろうなって思いますね。

―― 最後に、アルバイトを探している皆さんにメッセージをお願いします。

せっかくですから、少しでも興味のある仕事を選ぶのがいいでしょうね。適当にアルバイト先を選んで、なんとなく社員になっちゃう人っているでしょ。でも社員にまでなって長く働くなら、やっぱり興味のあることや、楽しいと思えることの方がいいんじゃないですか。
興味のあることや、やりたいことが特にないという人は、とりあえず何でもやってみること。そこで好きなことを見つけられるかもしれませんから。

 
 
 
 

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