あの有名人のアルバイトにまつわるさまざまな話をお送りするこのコーナー。毎回、下積み時代の隠れた努力や、おもしろいエピソードをお届けします。

バナナマン
設楽統(したらおさむ)と日村勇紀(ひむらゆうき)のお笑い
コンビ。1994年結成。巧妙な世界感と定評のある演技力で現実
と非現実の狭間を余すところなく表現する「コント師」。テレビ
のバラエティ番組やラジオ、ライブなどで活躍するほか、その
演技力の高さから、ドラマや映画への出演も多い。ホリプロ
コムオフィシャルサイト

 

―― 初めてのアルバイトはどんな仕事でしたか?

設楽:高校生の時に、レンタルビデオ屋と本屋が一緒になったようなお店で働いたのが最初ですね。
日村:僕も高校の時です。コンビニで働きました。割と短期間で辞めてしまったので、レジには立てず、品出しだけしていました。
設楽:レジをやらなかったの?品出し専門なんていう働き方聞いたことないよ。
日村:おそらく、本当に信用された者のみがレジを任せてもらえるんだと思います。
設楽:だけど、1日6時間くらいは働くでしょう。その間に商品が届くタイミングなんて、せいぜい2、3回しかないと思うけど。
日村:だから、常に店内中に目を光らせて、1つ売れるごとに裏から1つ持ってきて素早く補充。その繰り返しです。
設楽:それ、絶対バカだと思われていたよね(笑)。
日村:その時のお給料でコンポを買いました。6万円近くしたと思います。そんな大きな買い物をしたら何だか急に冷めてしまって、コンビニのアルバイトは辞めました。
設楽:僕は自分の部屋にコタツとテレビセットを買いましたね。
―― 印象に残っているアルバイトはありますか?
日村:僕は弁当屋の配達です。注文のあったところへ届けたり、昼休みの時間に合わせて企業を5~6社回って弁当を販売していました。なので昼までの仕事だったんですが、ある時、調理担当のおばちゃんに「コロッケを揚げるのを手伝っていって」と頼まれて、ピークが過ぎる13時半くらいまで手伝ったことがあるんです。帰ろうとしたらそのおばちゃんに「日村くん今夜空いてる?」って聞かれたので、「空いてます」と言ったら、「今夜旦那がいないのよ」と。
設楽:いくつくらいの人?
日村:50歳くらい(笑)。その夜、2人でカラオケボックスに行きました。今でも忘れませんが、おばちゃんはジントニックをガンガン飲みまして。勢いをつけた状態で突然僕の唇を奪ったんです。その後に僕の手を自分の胸に持っていったりして……。
設楽:きれいな女性だったの?
日村:いや、典型的な「弁当屋のおばちゃん」だな(笑)。その後、「家に来ない?」って誘われましたが、すぐにカラオケボックスを出て、1人でタクシーにぶちこんでやりました。
設楽:僕はカラオケボックスで働いていた時のことなんですが、部屋の中でお客さんが突然倒れたことがあったんです。救急車で運ばれたんですが、その後すぐに亡くなったそうで。それから、そのカラオケボックスで幽霊話が持ち上がって、閉店後の清掃なんかは遅い時間帯でしたし、すごく怖かったですね。
日村:それ絶対嫌だな。


―― アルバイト先で出会った印象的な人はいますか?

日村:僕はあります。
設楽:話聞いている限りそうは思えないけど(笑)。
日村:ハウスクリーニングの仕事をしていた時に、その会社の社長から聞いた話が印象的だったんです。社長は脱サラしてその会社を立ち上げた方なんですが、新しく事業を始めるときに、どんな業種にするかいろいろ考えた末、「どんなに時代が進歩しても、変わらず残るのはゴミ問題だ」ということに気づいたそうなんです。だから、清掃業の需要はなくならない。その着眼点で始めたハウスクリーニングの会社が大成功していたので、武勇伝のように聞こえたんですよね。男のロマンを感じました。
設楽:僕は高校の時、埼玉の田舎のアルバイト先で、そこの社員の人に「高校卒業したらどうするんだ?」って聞かれたんです。「たぶん就職すると思いますけど」って答えたら、「東京というデカい怪物に立ち向かってみろよ!」と急に強い口調で言われまして。ポカンとしちゃいましたね。その頃、僕はすごく冷めた高校生だったので、「何熱くなってるんだ、おまえもここでくすぶってるじゃん」って思っていました(笑)。
日村:その社長もお前に何かメッセージを伝えたかったんだよ。
設楽:社長じゃねぇよ。雇われ店長だよ。
日村:でも、その先があるんでしょ?感動する話につながるんでしょ?
設楽:その後、その店では芋づる式に横領が見つかって、社員が皆捕まってしまいました(笑)。結局あの人は俺に何を伝えたかったんだろうって。
日村:そうなんだ…(笑)。でも、僕は何となくわかるな。東京をデカい怪物と言ったその人の気持ちが。若い頃に打ちのめされた経験があったんだろうね。
設楽:僕も、東京で長い間仕事をしてきた今、ちょっとその言葉の意味がわかった気はするかな。
日村:人生の先輩としていいことを言ってくれる人も、アルバイト先には多いですよ。

―― アルバイトを経験してよかったと思うことはありますか?

設楽:どんな仕事もいい経験になりますよね。僕自身、いろいろなアルバイトを経験したから、今もネタ作りに役立っています。社会に出るシミュレーションにもなるし、自分がどんなことが好きか発見できることもある。僕らのように、初めて自分で大きな買い物をするとか、そういう目的のために働く喜びも味わえますね。大人になってからのアルバイト先では、皆さんが僕たちのお笑いの仕事を応援してくれて、服や自転車、バイクまでもらったこともあります。ネットワークも広がるし、生活がしやすくなりました。
日村:僕はもっとアルバイトをしておけばよかったと思うほどです。今でも機会があれば、アルバイトしたいですよ。ちょっと違った世界で働くことで、意外な自分を発見できることもありますから。
 
 
 
 

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