スターアルバイト烈伝
山川恵里佳
山川恵里佳
PROFILE

1982年3月7日生まれ。
岩手県出身。
趣味はジム通い。
特技は節約。
「奇跡体験!アンビリバボー」(CX系)、「大和撫子~すてきなマイライフ~」(TX系)をはじめ、ドラマや舞台、ラジオで活躍中。周囲の人も思わず笑顔になってしまうような、屈託のない明るいキャラクターでバラエティ番組の出演が多く、かわいらしい顔立ちと相まって人気を集めている。

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山川恵里佳 Erika Yamakawa  本格的に芸能界に入る前に、ふつうのバイトをしてみたい、と始めたパン屋さんのバイト。大好きなパンに囲まれ、かわいい制服を着て、テンションが上がりっぱなしだった恵里佳さんのバイト時代とは?あの有名人のアルバイトにまつわるさまざまな話をお送りするこのコーナー。 毎回、下積み時代の隠れた努力や、おもしろいエピソードをお届けします。
本格的に芸能界に入る前にバイトを経験したい!

  わたしはこの仕事を中学3年生の頃から始めて、週末は新幹線で東京まで通って芸能界のお仕事をしていたんですけど、高校1年生の時に、地元の岩手のパン屋さんでアルバイトをしたんです。平日週に3日、学校が終わった後の5時半ぐらいから8時まで、働かせていただきました。

 そのパン屋さんには友だちや両親と行ったことがあって、「近所では一番おいしいね」と話していたんです。ある時「バイトをすると余ったパンをもらえるらしいよ」なんて聞いて、働いてみたいなって思うようになりました。そうしたら張り紙があって「アルバイト募集してる!」って。

お小遣いが欲しいというよりは、すでにその時、将来は芸能界でやっていこうと決めていたので、今しかできないアルバイトを経験しておきたいなというのがありました。

おみやげでもらえるパンに幸せいっぱい

 見渡せるぐらいの小さなパン屋さんでしたが、ちゃんとお店でパンを焼いていました。匂いで「そろそろできあがるな」というのが分かると、取りに行って並べて。あとは販売してレジを打って。

 そうそう、ちゃんとパンももらえたんですよ。それがうれしくてうれしくて!ほぼ余ったパンは独り占め状態で、「新人さんだから全部持って帰っていいよ」って30個ぐらい持たせてくださって。他の皆さんは、おそらくパンに飽きていた頃だったんじゃないかと思うんですけど、パンが本当に大好きだったのでうれしかったですね。わたしは一人っ子なのでうちは三人家族なんですけど、両親も喜んでくれて、朝晩食べて、食べきれないものは冷凍保存していました。お昼に、学校の友だちに配ったりもしましたね。

 といっても、そんなにたくさんは食べられないので、最後の方はさすがに両親も苦笑いしていましたね。制服もかわいかったんですよ。白い丸襟のシャツに紺のスカートにエプロン。今で言うと「メイド系」ですね。その頃「萌え系」がはやっていたら、けっこうすごかったんじゃないかな。女の子としては「制服を着るならかわいくないと」と思いますよね。だから制服も、テンションが上がるひとつの理由だったんです。

テンションが上がりすぎて失敗

 先輩やパートの方に迷惑をかけないようにと思って、いろいろやろうとして、空回りしてしまったということはよくありましたねー。パンの値段が思い出せなくて「いくらだったかな…。でも調べに行くとお客さんを待たせちゃうな」と思って、知ったかぶりしてパパッとレジを打っちゃったり。パンを運ぶときにも、あまりにもテンションが上がりすぎて、お盆ごと落としちゃったことが何回かありましたね。せっかく作ってくださったのに…。

 でも、よく買いに来てくださるおばあちゃんだったり、サラリーマンの方だったり、お客さんとはレジを打ちながら仲良く話していましたね。「一人暮らしなんですか?」とか。自分で言うのもなんですけど、お客さんの中には、「恵里佳ちゃんがいると絶対買いに来ちゃうんだよね」って言う人もいましたよ。

 今もそうなんですけど、やはりいろんな人と会えるのが楽しいし、話すのが好きだったから、このバイトは刺激になるなあ、とその時に感じました。

元気がなさそうに見えるお客さんも、こちらが元気に話しかけると、たった1、2分話しただけで、笑顔で帰ってくれたりするんですよね。「喜んでくれているんだ」と感じると、すごくうれしかったのを覚えていますね。
初めてのバイト代で買ったものって?

 うちはお小遣いがなかったので、何か欲しいものがあるときは親に言う感じだったんです。だから、アルバイトをして自分で初めて稼いだお金でネックレスを買ったときは、ひときわ「自分で買った」という気がしました。ピンクのスウェードみたいな生地に黒いハートがついているロリータっぽいデザインのもので、1,200円ぐらいだったかな?給料日の次の日に買いに行ったのを覚えていますね。

 何ヵ月かあとに、お金が貯まったので両親と3人で回転寿司に行って、わたしが代金を支払うっていうイベントもやりました。そういうことをすると、心が豊かになりますね。そうやって自分の稼いだお金でごちそうして、すごい喜んでもらえて「ありがとう」なんて言われると、「こんな気持ちいいんだ!」って。  
アルバイトをするより前に、芸能界のお仕事でもお金をもらったことはあったんですけど、アルバイトでもらったお金は芸能界とは違う感覚でしたね。芸能界だと何がお金になっているのかよく分からないじゃないですか。でもバイトは、「こうやって2時間立って働いて、あ、このぐらいもらえるんだ」っていう分かりやすさがありました。それだけに、純粋に自分の足で稼いだという感じがして、重みが違ったんですよね。

夜道を歩くだけでも大人の気分!

 バイト代は全部使いたくなかったので、けっこう貯金してました。今はそんなことないんですけど、通帳を見て「貯まってる貯まってる!」って喜んでいました。
自分の通帳を持ったのも初めてだったし、1円からでも通帳が作れるって知ったのもその時。だから通帳を見るだけでも、すごく楽しめたんです。大人みたい!なんて。
大人みたい、というのはほかにもありました。家がわりと厳しかったので、高1ぐらいの時って、夜の9時ごろに外を歩くことがあまりなかったんです。バイトの帰りに夜道を一人で歩くっていうことだけで、ちょっと大人の気分を味わいましたね。 ちょうど寒い時期だったんですよ。岩手はすごく雪が降るので、行き帰りは寒かったなあというのもよく覚えていますね。

アルバイトを通じて学んだこと

 もし今度バイトをするとしたら、アイスクリーム屋さんとかクレープ屋さんとか、小さなかわいいトラックを運転して来るお店ってありますよね。うちの近所にもかわいいトラックのアイス屋さんが来るんですけど、ああいうのがいいですね。制服やお店自体がかわいいとか、お店に来てる人がおしゃれというようなところだったら、時給が高くなくても、楽しく働けるのかなと思います。

 どこの世界でも言えると思うんですけど、その場の空気って、そこにいる人みんなに伝染するんですよね。たとえば、パンを作っている人がちょっと調子が悪いとか、悩み事があったりすると、その空気が働いている人全員に伝わるというか。

 だからやっぱり元気じゃなきゃいけないし、自分のテンションを良い状態に保っていなきゃいけないと思うんです。自分が心身ともに元気でいられたら、お客さんとちょっと話しただけでも良い気分で帰ってくださるんだってバイトを通して感じました。

 今、芸能界で表に出る仕事をさせていただいていると、特に感じますね。どんなに元気なふりをしていても、「ふり」だとバレてしまうというか。たとえば、毒舌な芸人さんでも、いい人ってやっぱり分かるというのと同じ。難しいけれど、良いテンションを保つというのが大切なんですね。  
本格的に芸能界に入る前に、ちょっとだけでもアルバイトを経験できたのはよかったです。お金の感覚も芸能界ってちょっと違うので、「何時間働いていくら」みたいな学生らしい金銭感覚も身に付いたし、たった半年でしたけど、やっておいてよかったなって本当に思いますね。

バイトル情報局