スターアルバイト烈伝
つるの剛士
つるの剛士
PROFILE

1975年5月26日生まれ。福岡県出身。趣味は楽器演奏、将棋(2段の腕前)。特技は絵を描くこと。「すくすく子育て」(NHK教育)、「ウルトラマンダイナ」(TBS系)、「踊る!さんま御殿」(NTV系)をはじめ、舞台、ラジオでも活躍中。自身のホームページでもイラストを公開しているが、その腕前はプロ顔負け。また、バンド活動にも力を入れており、ゲームボーイロックユニット「8○boyzz」で現在活動中。好きなことは何でもとことんやるという多彩な才能の持ち主。

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山川恵里佳 Erika Yamakawa  本格的に芸能界に入る前に、ふつうのバイトをしてみたい、と始めたパン屋さんのバイト。大好きなパンに囲まれ、かわいい制服を着て、テンションが上がりっぱなしだった恵里佳さんのバイト時代とは?あの有名人のアルバイトにまつわるさまざまな話をお送りするこのコーナー。 毎回、下積み時代の隠れた努力や、おもしろいエピソードをお届けします。
はじめてのバイトがきっかけで片思いの彼女と再会!?

最初にやったアルバイトは、高校1年の冬休み、郵便局の配達員です。年末年始の繁忙期に「バイトやってみませんか」というハガキが来て、応募してみよう、と。短期のバイトなんですけど、それから3年、毎年その時期になるとやりましたね。
朝の8時に、まずは年賀状の仕分けから始まるんですよ。それで夕方まで、赤い自転車で配達です。自分が担当している地域の町の名前や、道なんかを全部覚えましたね。どこの家は犬がほえて怖いとか。懐かしいなあ。

僕は、高校に入る前まで大阪に住んでいたんですけど、配達している地域の街並みが、大阪にすごく似ていたんですよ。
そのせいか、大阪で片思いしていた女の子のことをなんとなく思い出して…。彼女と同じ名字の宛名を見るたびに、一人で妙に気持ちが盛り上がっちゃって(笑)。ある日、思い切って手紙を書いたんですよね。そうしたら返事が来て、なんと会うことができたんです。
生まれて初めてのバイトっていう緊張感だけじゃなくて、そんな甘酸っぱい思い出もありますねえ。

4年も続けたピザ屋のバイト

僕はとにかく、屋内で働くということが苦手だったんです。働くなら、外に出ていろいろな刺激を受けられる仕事がいいと思っていました。
だから、郵便局もそうだったんですけど、ピザ屋のバイトっていうのが本当に楽しかったですね。高校2年からハタチぐらいまで、4年も続けたことがそれを証明しています。

最初は配達だけだったんですけど、慣れてくると電話で注文を受けながら、ピザ生地をくるくる回して、トッピングして、焼いて、それを30分以内に4軒にデリバリー、なんてことができるようになって。もう完全に店の中ではマスター状態ですね。すべての工程を極めてました。

 

僕、芸能界に入れなかったら、ピザ屋になりたいと思っていたんですよ。みんなが大学を卒業するのって22、23歳ぐらいじゃないですか。だから、「それまでに芸能界に入れなかったらこのままピザ屋になろう」と思っていました。手に職を付けるぐらいの勢いで、真剣にバイトしてましたから。
今の仕事とバイトしていたときと、仕事に対する気持ちってそんなに変わらないような気がしますね。ものすごくまじめにやっていた、とは言えないかもしれないですけど、とにかく一生懸命、全力投球するスタイルは今でも変わっていません。

恐怖!クレームおやじの館!!

ピザ屋のバイトは、とにかく毎日バイクで外に出ているから、いろんな発見があったし、面白いネタもいっぱいありましたよ。

最近は「急いで配達するのは危険だ」という理由でそういうシステムは無くなっちゃったんですけど、当時は注文から30分で運べなかったらタダになったり、半額になったりしてたんですよ。しかも、それが自分の時給に響くんですね。だから本当に必死でした。

 

あるとき、マンションの11Fに届けなきゃいけないことがありまして、1Fに到着した時点で、すでに残り1分半だったんです。しかも、注文したおっさんが名物おやじで、毎回、時間をちゃんと計っている人なんですよ。バイト仲間もみんなそれは知っていて、「あそこには気を付けろ」ってことになっている場所だったんです。
こりゃヤバイと思いながら、エレベーターを呼んだんだけど、7Fからなかなか降りて来ないんですよ。「もう間に合わねー!」と思って、猛ダッシュで階段を上がって行ったんです。で、7Fに着いたときにふと見たら、子どもがエレベーターを使って、チャンバラごっこをしてたんですよ!で、もう「おまえらどけ!」と子どもたちをどけて、エレベーターに乗って、11Fのボタンを押したら…。さっき僕が下で呼んだままになってるから、降り始めちゃって! 
それで結局間に合いませんでした。今考えたら、あの子どもはおやじの仕込みだったのかも(笑)。

配達中のミラクルなエピソード

配達の途中に、当時付き合ってた彼女の家に行ったりもしたなあ。なるべく早めに配達を済ませて、その余った時間で会いに行くんですよ。窓に石をコツンとぶつけて「来たよ!」って合図して。
30分で4軒に配達とかやっているから、時間がないのに余計忙しくしちゃって。でも、そんな短い間だけでも彼女に会えるっていうのがまたエネルギーになっちゃってね。

 

きれいなお姉さんが住んでいる部屋って、バイトはみんな知っているんですよ。「○○マンションの何号室の女の子はすっごいかわいいんだぜ」なんて言って、注文が入ると誰が配達するのかジャンケンで決めてました。
雨の日にずぶ濡れで届けに行ったら、その女の人に「大丈夫?タオル貸してあげるから上がっていかない?」なんて言われたこともありましたよ。そのときは焦っちゃって「いいです、いいです、急いでいるんで」と言って断りましたけど…。
そういう、今は考えられないようなミラクルも、配達中にはありましたね。

 

偶然、小学校の担任だった先生の家に行ったこともありました。後ろからダンナさんとか子どもとか出てきて、普段はすっごく怖い先生なのに、家族の前では妙にフレンドリーになっちゃってて、急に親近感が湧いたりしましたね。

バイト仲間と会うと、初心に戻れる

バイトでは、お金を稼ぐことの大変さを学びましたね。
バイトのときよりも今はもちろん稼がせてもらってますけど、あのときのお金の重み、時給800円の重みは忘れないようにしたいと思っています。初心を忘れちゃダメだなあ、と。

 

当時のバイト仲間や店長は、僕が芸能界を目指しているっていうのを知っていました。「お前なんかが芸能人になれるわけないだろう」なんて、からかわれながらもがんばってきて、なんとか目的を果たした。そういう時代を知っている仲間だから、いまだにヤツらに会うと、当時の気持ちになりますよね。お金に対する意識もそう。初心に戻れるんです。バイト仲間も当然、もう違う仕事をやっているんですけど、当時を振り返ってバカ話したりします。
そういうことが今になってみれば、バイトをした一番の財産かなあ。

 

今でも僕バイトしたいですよ。ガソリンスタンドで「いらっしゃいませー!」とかね、元気な感じが気持ちいいじゃないですか。それから、バイトじゃ無理かもしれないけど、子どもが好きなんで保育士さんもいいですね。

バイトル情報局