取引所から、商社へ。


生産者とタッグを組み、


ムーブメントを起こしたい。

豊明花き株式会社 商談の様子 豊明花き株式会社 商談の様子

多田 佳高 Yoshitaka Tada

豊明花き株式会社 商品一課 課長

PROFILE

大学を卒業後、グループ会社「株式会社フラワーオークションジャパン」にて営業職を経験したのち、豊明花き株式会社に中途入社。主に東日本エリアの仕入れを担当する商品一課のプレイヤー兼マネージャーとして活躍している。

セリは、自分の目利きと信頼関係がカギ。

もともとは大学で食品流通を専攻していました。花き産業へ興味を持ったのは、研究室で行った東京にある中央卸売市場の見学がきっかけです。食肉、魚、花き、それぞれのオークションを見てまわったのですが、花きのセリだけ雰囲気が全く異なっていたんです。 一般的なセリのイメージは、仕草と言葉で値付けをする手ゼリですが、花きのセリはコンピューターを使った機械ゼリ。数時間の間にテンポよく何千何万のアイテムを売っていく様子を見て「自分もやってみたい」と強く惹かれました。

入社してしばらく経ち、自分でもセリを進行するようになって感じるのは、セリ人(セリを進行する担当)個人の目利きを見られているということ。当たり前ですが、お客様はできるだけ安く買いたい、こちらは何千とある商品の平均単価を上げたい。お客様が買いたいと思う相場とこちらが提示する価格が合っていないとスムーズにセリが進んでいきません。だからこそ知識や経験が必要になってきます。

では、そこの知識や経験はどこで身に付けるのかというと、セリ以外の場所なんですよね。例えば、生産者とのやりとりを密に取って良い商品を出荷していただき、購入されるお客様にどんなニーズがあるのかをヒアリングして、良いと思った商品はどんどん提案していく。 そういった普段のやりとりの延長線上から「多田という人間は、目利きがちゃんとできる」と認めてもらわないといけないのです。これは信頼関係をつくると言い換えてもいいかもしれません。

豊明花き株式会社 機械ゼリの様子

取引所の機能だけでなく、オリジナル商品の企画・販売や国際取引も。商社と言った方が近いかもしれません。

これまでセリの話を中心にお話していましたが、実は弊社では取引におけるセリ比率をどんどん下げているんです。これは生産者のことを考えると、一番は出荷してもらった商品をセリにかけず、事前注文や一対一の相対取引を通して希望価格で販売するのが理想だと考えているからです。

現在では、これまで培ってきた信頼関係をもとに、生産者とタッグを組んだオリジナル商品の企画・販売にも力を入れています。例えばアジサイの場合、直径15cmの鉢サイズが標準的な出荷サイズですが、これを9cmにサイズダウンし、全体をコンパクトに仕上げることで、テーブルの上で楽しむことができます。ちょっとした工夫で、インテリアショップやホームセンターなど、より多くの人の需要に応えられるようになるんです。また弊社限定のアジサイやカーネーションを生産してもらうことで新しい企画を考えることも可能です。こういった提案を含め、豊明花きでは担当者個人の裁量も大きく、数千万円の予算を扱えるのが醍醐味と言えます。基本的なスタンスとしては、生産者が出荷してくださる商品に対してどれだけのことをしてあげられるかを重視している点も弊社の特徴だと思います。

さらに近年では、日本の植物を海外に輸出する国際取引も手がけています。日本だけにとどまらず世界へ進出しているため、花の専門商社と呼ばれることも多くなってきました。このように豊明花きは、絶え間なく進化を続けています。花き産業では、年間を通して母の日が売上のピークですが、個人的には母の日を超えるようなムーブメントを起こしたいと考えています。だからこそ、業界未経験の方の常識にとらわれない新しい風が必要になってくると思うのです。

豊明花き株式会社 商品写真撮影の様子

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